基礎年金を守れ

この夏、国民の老後の生活の「最後の砦」であり、若い世代からしても、将来の基礎的な備えとして重要な基礎年金の積立金の運用について、衝撃的な数字が明らかになりました。

2015年度→5兆3000億円
2016年度4~6月→5兆2000億円
わずか15ヶ月で10兆円を超える損失を出したのです。

これは、我が熊本県の年間予算分約15年分に当たる、巨大な金額であるのみならず、基礎年金を頼りに生活を送っている多くの国民、そして将来の給付を信じて真面目に年金を支払い、積み立てている若い世代からしても、不安を抱かざるを得ない危険な数字です。

そもそも、何故このような状況になったのか。
決定的な要因は、安倍総理の肝煎りで政権が進めた年金積立金の運用見直しです。
年金積立金は、その年に余った保険料を毎年積み立てたもので、現在140兆円ほどあります。
この巨額のお金は、年金の管理の事業費と将来の年金の支払いに使われるものです。
この積立金の運用について、かっては比較的安定した国内債券が中心でしたが、安倍政権は一昨年の衆議院選挙の前に、突然、私たちの基礎年金の半分を、変動の激しい株式で運用しはじめたのです。
当初は、株価は急上昇当然です。巨額の年金が株式市場に流れ込んだのですから。
現在、外国人の株式投資が過半数を占めていますが、その外国人投資家や巨額のマネーを扱う投資家は、この「バブル」で多くの利益を出しました。

しかし、「アベノミクス」という官主導のプチバブル政策による株価上昇なんて、すぐダメになる、その時に痛みを受けるのは、国民だ。そう警鐘を鳴らしつづけましたが、一顧だにされず、結果、その懸念が現実のものとなりました。

基礎年金を守れ

更に、総理は2年前に国際会議の場で「年金の資産運用を変えて、成長への投資」に活用すると明言しています。当たり前のことですが、年金積立金は経済成長(株価吊り上げ)のための資金ではありません。国民のものです。にもかかわらず、運用比率を見直しリスクが高まった、という重要なことについて、多くの国民はほとんど知らされていません。

年金はあくまでも、老後の最低保証のための「備え」なのです。

だからこそ、米国のような金融先進国でも、基礎年金は100%安全な非市場国債で運用しているのです。
目先の株価の引き上げのために、国民の「備え・あんしん」を売り渡すような、現在の経済政策は誤りです。
この誤りは、「年金を生活の基盤にしよう、大切な現金収入だ」と考えられている方々にとっては、死活問題となりえます。アベノミクスが成功しているかのように演出する為とも思える、目先の株価対策は、今すぐに改めるべきです。また、「単年で判断すべきではない、過去分も併せ考えるとプラスだ」などと、支店のずれた弁明は詭弁の類であり、すべきではないと考えます。